お父さんは サイエンスファシリテーター

お父さんは サイエンスファシリテーター

妻と子4人の6人家族。目標は、名著『ビジネスマンの父より30通の手紙』のような【書】を子ども達に残すこと!でスタートしたけれど、自分のエゴにおこがましさを感じはじめた今日この頃(笑) 小さな歩みをコツコツ積み重ね、20年後の自分が振り返った時に、幸福感に包まれるブログにしたいです。★★★「大人と子どもと科学をむすび 未来を創る」サイエンスファシリテーター。科学館で宇宙親子イベント主催。「組織の成果と個人の喜びをシナジーし 未来を創る」組織学習パートナー。組織研修ご提案。その正体は、サラリーマン★★★

三部作① レビュー『イヤなやつほど仕事がデキる なぜルールに従わない人が成功するのか』 フランチェスカ・ジーノ・著 日本経済新聞出版社 ~レゾナンスリーディングvol.74

 
 
 

【「つまらない自分」を「人生を楽しむ自分」に変える3つの方法 → 自身のマインドセットに反逆せよ!】

 
 
 
『イヤなやつほど仕事がデキる
 なぜルールに従わない人が成功するのか』

 
 
著者:フランチェスカジー
翻訳:櫻井 祐子
出版社:日本経済新聞出版社 (2019/4/20)
http://www.amazon.co.jp/dp/4532322677
 
 

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こんにちは。
サイエンスファシリテーター&組織学習パートナーの村上英範です。
いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。
 
 
 
著者のお名前は初めて拝見しましたが、ハーバード・ビジネス・スクール教授で、「40歳以下のトップ・ビジネス・スクール教授40人」(ポエッツ&クアンツ)、「世界で最も影響力のある経営思想家50人」(Thinkers50)などに選出とあり、期待いっぱいに手に取りました。
 
 
ところが実際に読みだすと、、、色々と引っ掛かりや、読みづらさを感じます。
 
とくに、Amazonレビューにもあるように、私も原題の「Rebel Talent」を「イヤなやつ」や「反逆者」と表現するのは違和感を感じました。
(原書は読めませんが…、売上げ向上のための邦題や意訳…!?)
 
 
「Rebel Talent」、違うかもしれませんが、個人的には「開拓者」のイメージです。
 
あるいは「反逆者」の場合、その対象が「職場や人間関係」に対してではなく、「自分自身のマインドセット固定観念」への反逆とすれば、腹落ちします。
 
 
と、若干ネガティブな所感から入ってしまいましたが…、著者の主張は納得感が高いです。
私自身の職場環境と照らし合わせることで、よりイメージでき、新たな気づきも多く得ることができました。
 
 
 

◆あなたの仕事の意欲はいかがでしょうか?

 
 
働く意欲に関して、以下ような調査結果があります。

1998年から数年おきに、さまざまな業界や国で働く数百万人を対象に、働く人たちのエンゲージメント(愛着信から来る自発的な貢献意欲)の調査結果によると、2016年では、アメリカの社員で主体性と熱意、意欲をもって仕事にとりくんでいる人の割合はわずか32%。
一方で「意欲をもつ気がない(アクティブリー・ディスエンゲージド)」状態の社員は20%近くもいたそうです。
コワいのがこの「意欲をもつ気がない(アクティブリー・ディスエンゲージド)」人とは、ただ仕事に満足していないだけでなく、不満をまき散らす社員で、同僚の意識に少しずつ悪影響を及ぼす人たちであると定義づけられています!
 
また、別の調査では、「意欲が高い」社員は全体の15%に過ぎず、「意欲がややある」社員は65~70%、「意欲がまったくない」社員は15%だったとあります。
(やはりパレートの法則になるのですね。)
 
 
「意欲のなさ」は、高い代償を伴います。
社員の貢献意欲や定着率、生産性、イノベーションの妨げになるからです。
 
 
一方で、本来私たち人間には、誰しもが意欲をもってものごとに取り組むことに喜びを感じる性質があります。
 
 
それにも関わらず、色々な職場で意欲の低下が起こっている現状…。
 
なぜでしょうか?
 
 
原因の1つは、サピエンスには、同調圧力に屈する傾向もあるからです。
 
私たちは「他人に受け入れられたい」という強い願望をもつ社会的動物なので、自分のためにならない慣習であっても、同調することで安心を感じます。
しかし、それにより、仕事であれ人間関係であれ、本来の自分がもつ願望と離れていくにともない、意欲レベルも下がっていくのです。
 
 
では、逆に、意欲が上がるのはどのような状況だと考えますか?
 
特に職場という環境のなかで、どのような条件があれば、モチベーションを高められるのでしょうか?
 
 
1つは、私たちが組織で意欲を感じるのは、自由を見せつけるリーダーに感化されて、自分らしくふるまうときだそうです。
言い換えると、仕事で自分らしさを発揮すること。
それは人によって異なるでしょう。
ある人にとっては、成果を上げるために、自身でプロセスを選択できることかもしれません。
別のある人にとっては、机の周りを好きなもので飾り、気分よく働くことかもしれません。
リーダーは、そこで働く人たちが感じる自由について、心の通う本物の関係性について、様々なメッセージを大切にする必要があります。
 
 
すなわち、意欲の向上と「自分らしさ」には密接な関係性があるといえます。
 

 
でも、ここで問題となるのが、組織のなかで「自分らしく」ふるまうのは、難しいのでは?という疑問。

いったいどうやって「自分らしく」ふるまえばいいのでしょうか。


様々な環境のなかで、自分を大切にする具体的な行動
。 

本書では、これを実現させるための「8原則」が提示されます。
 

 

◆自分らしく働きながら成功を手に入れる8原則

 

1. 新奇性を求めよ

2. 建設的な異論を促せ

3. 対話を閉ざすな、開け

4. 自分をさらけだせ――そして内省せよ

5. すべてを学べ――そしてすべてを忘れよ

6. 制約のなかに自由を探せ

7. 現場から指揮せよ

8. しあわせな偶然を促せ
 
 
この8原則をを支えるのが「Rebel Talent(反逆性)」というある種の主体性であり、確立することで「つまらない仕事」を「やりがいのある自身の仕事」へ、「つまらない自分」を「人生を楽しむ自分」へ変えていくことができます。
 
 
「Rebel Talent(反逆性)」の鍵となる性質は、5つの要素で構成されています。
 
① 新奇性:手ごわいことや新しいことに飛び込む

② 好奇心:子どもの頃のように、つねに「なぜ?」と問いかける

③ 客観視:ものの見方をつねに広げ、他者の視点で世界をとらえる

④ 多様性:お仕着せの社会的役割に異を唱え、自分と違う人たちを求める

⑤ 偽りのなさ:人とつながり、人から学べるように、つねに心を開き、自分の弱さをさらけ出す
 

著者が様々な組織で出会った「反逆者(≒開拓者)」たちは、職種もまちまちで、一人ひとりが個性的でしたが、全員に共通するこれらの資質があったとのことです。

 
 
では、私自身が今の職場で、自分らしく働きながら成功を手に入れるためには何が必要なのか。

5つの要素のなかで、今の私が抱えるジレンマを解決してくれそうなのが「③ 客観視」だと感じ、そこを中心に学びました。
 

 

◆私が共鳴した3つのポイント

 
 

①「反事実的思考(反実仮想)」

 
客観視するには「反事実的思考(反実仮想)」が有用です。
 
 
「反事実的思考(反実仮想)」とは、自分の知っていることを忘れて、新鮮な目で状況を捉え直すための心結の技法。
思考を変えることで、今の状況をありがたく思い、今の関係をより幸せに感じるようになります。
また、組織や同僚に対しておこうなうと、人間関係の見直しができ、貢献意欲や、職場での幸福度が高まることになります。
 
 
その理由は、この思考法は、前向きな変化を後押しする作用があるからです。
 
 
私たちが仕事や人生に満足しなくなる原因は、自分の考えや好みと合致しない情報を無視し、合致する情報だけに注目してしまう人間の性質によるところがあるからです。
 
 

たとえばあなたは転職したが、新しい仕事に満足していないとしよう。転職を後悔し、失敗したと思うあまり、この先状況がよくなるという明るい兆しが目に入らなくなる。そんなとき、反事実的思考によって視野を広げることができる。「前の職場にとどまり、仕事が退屈でマンネリになっていたらどうだろう?」もし違う展開になっていたらと考えると、人生は何が起こるかわからないということに気づきやすくなる。

 
 
目新しいことではないと感じるかもしれませんが、切迫して視野や度量が狭まっていると、ついつい忘れがちになりますよね。

私自身も昨年までの環境から今を見直すと、新しい環境の悪く見えていた部分がすーっと減っていきました。
 
 
 

②相手にも期待する

 
相手に期待すると、相手がその期待通りに成長する「ピグマリオン効果」という心理状態が発見されています。
 
 
ところが、私たちは 知らず知らずのうちに、相手にあきらめを抱いたり、蓋をしていないでしょうか。
 
あるいは、自身が相手から期待されていないという錯覚に陥っていませんでしょうか。
 
 
ここで「ピグマリオン効果」の活用です。
 
相手に期待すると、相手がその期待通りに成長する。
あるいは、自分が、他人の低い期待に対して、反逆する。(良い意味で期待を裏切る)
 
 
客観視に必要な、感情を添えた見方の変化です。


やるかやらないかは相手次第だけど、期待をもつところまでは私の範疇。
たとえ実行されなかったとしても、負の感情で返さない。
「学習と改善の機会」ととらえることが世界の見方を広げる鍵となります。
 
 
そうすることで、私たちの周囲に溢れるステレオタイプの脅威に抗い、起こりうる問題ではなく機会に注目して状況をとらえ直せば、敬遠しがちだった手ごわい状況に真っ向から挑み、個人として成長することができます。
そして、そのふるまいに触発されて、周りの人もあとに続き始めます。
模範や物語を示すことによって、人々の考え方を力強く変えることができるのです。
(ほんとに?笑)
 

「反逆者(≒開拓者)」はそういった人物。
自分自身を含むすべての人に期待をかけ、最大限の力を引き出すことの大切さを知っている人物です。
 
 
 

③「今回は何を学べるだろう?」「自分に何ができるだろう?」

 
「学習と改善の機会」を支える重要な質問です。
 
 
「今回は何を学べるだろう?」
 
マンネリ化した状況であっても、まったく新しい知識や考えたこともない知見を得る可能性を開き続けることができます。
また、「視野狭窄」に陥りやすいことを自覚すれば、幅広い視野を維持することができるので、斬新なアイデアや、多様な選択肢を評価しやすくなります。
 
私たちはいったん仕事に慣れると、多くの部分をあまり考えずに行うことが自然になります。
つねに学び続けることを自分に課すことが肝要です。
 
 
「自分に何ができるだろう?」
 
「できる」思考は、「すべき」思考や「どうする?」思考と比べて、倫理的に型にはまらず、先入観にとらわれない心をもち、一見不可能な状況を新しい視点からとらえ直せば、解決策が浮かぶことがあるのです。
 
 
 
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◆まとめ

 
 
自身の中に「Rebel Talent(反逆性)」を育むとどうなるのか?


「自己拡張」が起こります。

ちょっと難しそうな目標も達成できるという自信が高まり、困難な道のりでもゴールしようという意欲が増します。
 
 
反逆のマインドセットは、形骸化した慣習や足かせとなるルールに捕らわれず、マインドセットを繰り返しアップデートでき、自身の才能がどんどん開花していくのです。
 
 
ルール破りは、適度に適切に行えば、面倒な事態に陥らずに成功を後押しできます。
ルール破りは、生活のあらゆる面で豊になる。力がみなぎってきます。
当たり前の慣習をうち砕き、積極的に世界に関わることができるからです。
そうすることで初めて、習慣を新しくつくり変え、そしていつか自分の思い通りの人生を描けるようになるのです。
 
 
本書は、同調に抗い、組織や自身の働き方・生き方を創発した方に、おススメしたいです。
 
 
 
 
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サイエンスファシリテーター®

& 組織学習パートナー 村上英範

 

◆インタビュー記事(取材:理系エイゴ様)

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最後までお読みくださり、ありがとうございました(^_^)

 
 
 
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