【レモンじゃないのに!口の中が「ジュワ~ッ」とする世界史】
『塩の世界史(上) (下)
歴史を動かした小さな粒』
著者:マーク・カーランスキー
翻訳:山本 光伸
出版社:中央公論新社
発売日:2014/5/23
(上)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122059496
(下)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/412205950X
塩は、酸と塩基の反応で得られる物質を指す化学用語だ。突然燃えだすことがあるナトリウムという不安定な金属元素は、塩素の名で知られる猛毒ガスと反応すると、必需品の調味料、塩化ナトリウム(NaCl)になる。人類が食する唯一の鉱物の一族だ。
「塩」とは?
冒頭からなんとも素敵な紹介ではじまります。
◆「塩」
私たちが生きる現在では身近な存在であり
その有り難味を忘れがちですが、
「塩」は何千年もの長きに渡り
人類を動かし続けてきた存在なのです。
人類は塩を、探し求め、製塩技術を磨き、
争い奪い合い、買いだめし、課税してきたのです。
太古のミイラづくり、ローマ帝国の塩の道、
などなど、
世界中の地域で「小さな粒」は歴史を動かしてきました。
◆本書の最大の魅力
本書の魅力。
それは「塩」の観点から「世界史」を、
単にまとめ上げただけではないということですす。
ひと言で表現すると、
口の中が「ジュワ~ッ」とする世界史
とでも言いましょうか。
(そう、レモンを想像したときのように。)
各地域、各時代での「塩」を使ったレシピが
フンダンに掲載されているんです!
グルメ本じゃないのに、唾液が止まりません!(笑)
◆「へぇ~!へぇ~!へぇ~!」(豆知識)
・どれだけ「塩」が貴重だったか!?
それは「塩」が「サラリー」「ソルジャー(兵士)」の
語源だということです。
ローマ軍は兵、馬、家畜のための塩を要求した。兵の給料が塩で支払われることすらあったが、これは「サラリー」の語源であり、「給料だけの働きがある」とか「食いぶちを稼ぐ」といった表現のもとでもある。ラテン語の「サル」は変化してフランス語で支払いを意味する「ソルド」となり、「兵士(Soldier)」という単語も生み出している。
・いちど美味いモノを知ってしまうと…
何世紀もローマ帝国に囲まれてきたバスク人にとって、塩漬けの魚はありふれた食べ物であり、クジラの肉を塩漬けすることも簡単に考えついた。そして今度はタラの塩漬けを始めた。市場はぼう大だった。かつてローマ帝国だった地域では、どこでも塩漬けの魚を食べていた。タラを真水に一日か数日さらすと、それまで食べていた黒ずんで脂っぽい地中海の魚よりも、身はより白く脂身が少なく、そして美味になった。
・「塩」を制する者が世界を制する!
イギリス人にとって、塩は戦略上重要なものだった。塩ダラとコーンビーフが海軍の糧食になったためであり、これはフランスでも同様だった。十四世紀には、北方ヨーロッパが戦争の準備をするときは、まず塩を大量に入手して魚と肉を塩漬けにしたものだった。
イギリス人もオランダ人もフランス人も、塩を探した。この魔法の万能薬を見つけさえすれば、魚があふれる北アメリカの海を無尽蔵の宝物庫に変えることができるのだ。
あぁ、レビューを書いているだけで
また口の中がジュワ~ッとなってきました。
そして、これはヤバい!
お腹もグ~~っと減ってきました。汗
ということで、
読まれる際には空腹にご注意くださいね。
ポテチ(うすしお)があれば、
「塩」の有り難さを実感できると思います(笑)
◆同じようなためになるオモシロく読めてためになる本!
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