【ピンチはチャンス。左遷もチャンス。さぁ、越境しよう!】
『知の越境法
「質問力」を磨く』
著者:池上 彰
出版社:光文社 (2018/6/13)
http://www.amazon.co.jp/dp/4334043593
こんにちは。
サイエンスファシリテーター&組織学習パートナーの村上英範です。
いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。
2019年7月4日。
ビジネスでは、1クォータが終わりました。
令和になって2ヶ月が過ぎました。
時間はあーっという間に流れていきますが、
人によっては停滞感を感じる時期かもしれません。
私も停滞感を感じている1人です。
その影響か、最近の本レビューが偏っている気がしています(汗)
startup-papa.hatenablog.com
startup-papa.hatenablog.com
本日も同系列の本レビュー投稿となります。
が、先の2つと合わせて、
「仕事の壁を突破する」三部作の完結編ということで
ご容赦いただけると幸いです(笑)
さて、三部作のラストを飾るのは『知の越境法 「質問力」を磨く』
著者は池上彰さんです。
内容はタイトル通り、自分の守備範囲から「越境」することで
いかに「自己拡張」していくかがテーマとなります。
その方法の1つとして、ご自身の経験をベースとした
池上流「質問力」の磨き方が展開されます。
「愚かな質問はない。あるのは愚かな答えだけだ。」
変な質問をして、愚かだと思われるのが嫌で、質問自体を抑え込んでしまうのは、成長機会を奪うばかりか、その質問をすることで周りの人も賢くなる機会を奪うことなるのです。
質問は、「虚」を「実」に変えることができます。
質問は、自分も相手も謙虚に成長させてくるのです。
というように、「質問力」が「越境」「自己拡張」の肝となるのです。
一方で、私としては、池上さんのそのバックボーンである「左遷」が引っ掛かり、そこを中心に
読みました。
あなたは「左遷」という言葉から、どのようなイメージを抱きますか?
1つは、言葉の通りの意味ととれます。
加えて、この投稿では「停滞した職場」や「閉塞感ただよう組織」
という環境にまで広げて使いたいと思います。
というのも、私自身も新しい職場に異動してから3ヶ月間。
近ごろでは、職場の嫌~な部分たくさん目に入るようになり
異動当初のキラキラした気持ちが、くすんできています(汗)
そこで、ここ数日間、マインドをリセットしたいと考え
選書し、学んでいます。
繰り返しのご紹介になりますが、
本日の「講師」は、池上彰さん(のご著書)になります。
池上彰さんは、ご自身の転機として「左遷(受け身の越境)」を挙げられています。
NHKニュース記者から「週刊こどもニュース」に移られた事です。
しかし、その時に腐らずに「受け身の越境」を「自発の越境」へと変換されました。
子どもにもわかるように「伝え方」を磨かれました。
それが「わかりやすく伝える」というご自身のキーリソースに成り、
ブランディングとなったのです。
私が本書でポイントと考えるのが、
「左遷」は「越境」であると再定義されたところです。
「受け身の越境」というと、仕事の上では「左遷」と表現されることが多いでしょう。でも、「左遷」だと思えば左遷になるし、「絶好の越境のチャンス」と考えれば、業務分担の壁を軽やかに飛び越えることができるのではないかと思うのです。
すなわち、腐らずに、意欲を持って学び直せるかが鍵になります。
そして、その時は、ムダで辟易するような事も、
人生においては、後で「生きてくる」とおっしゃいます。
ちょっと脱線しますが、
スティーブ・ジョブズもこのような言葉を残されています。
「先を見越して点と点をつないでおくことはできない。
過去を振り返ってつなぐことしかできない。
だから、いつか何らかの形でつなげられるのだと
信じていなければならない。」
(私のメンターが愛する言葉です。)
今は不安や不満で、意味を見出せない「点」かもしれません。
しかし、人生において後から振り返ると、
意味ある「線」にすることができるのです。
自分を信じるとは、自身の弱い心を越境することではないでしょうか。
話しを戻しますね。
自分を信じて「自発の越境」をすると、
つまり、意欲を持って学び直す意志を持つと
やがて内面に4つの変化が訪れるとのことです。
1.知らないということを知る。「無知の知」(こどもの視点)。
2.知らないことを知って、停滞を破る(未知の人や土地に越境する)。
3.離れているものどうしに共通点を見出す。
4.知らないことを知ることで多数の視点を持つ。自分を相対化する。
これが越境の醍醐味です。
とくに「自分を相対化する」は、
以前の投稿でも語った「客観視」の土台になると考えます。
startup-papa.hatenablog.com
ここで「相対化」をググると次のように説明されています。
「一面的な視点やものの見方を、それが唯一絶対ではないという風に見なしたり、提示したりすること。」
他の何か、他の誰かと単純に比較して、ランク付けする見方ではありません。
感情は付与せず、全体や周囲との関係性から、自分自身を見直す、俯瞰することです。
池上さんは「相対化」の大切さを、会社組織において次のように述べられています。
自分にとって異なる文化と接すること。自分が属している組織に異質な存在を送り込むこと。そえによって多様性を生み出すこと。
自分を、そして組織を活性化するには、それが必要なのではないでしょうか。
越境の意味はそこにあると考えます。進歩が止まった。どうも淀みがちだ。すっきりしない。そう思ったときに、ちょっといつもの道を外れ、隣の道を進んでみる。角度が変わっただけで風景が違って見えます。
自身の固定観念や先入観を越境することで、
これまでの自分や、自分がいる環境を客観的に判断できるようになります。
そして、立場の異なる仲間の想いを理解しようとする姿勢が生まれるのです。
しかしながら、現実問題として、越境者の少なさも懸念されています。
残念ながら、現実には自分の枠を越えようとしない人が増えている印象です。
その対策が本書。
殻を打ち破るために、「越境のススメ」があります。
目の前の高い壁を乗り越えるのは大変でも、自分の横にある壁は、簡単に飛び越えることができるかもしれません。隣へ越境してみよう。これが、「越境のススメ」なのです。
「事実は1つ、捉え方は無限大」
視座を広げて、日常からはみ出せば、
仕事も人生ももっとおもしろくなると信じます。
いかがでしょう。
あなたは越境しますか? それとも、現状維持ですか?
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◆一緒に読むと深まるレビュー・投稿
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サイエンスファシリテーター®
& 組織学習パートナー 村上英範
◆インタビュー記事(取材:理系エイゴ様)
最後までお読みくださり、ありがとうございました(^_^)
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