お父さんは サイエンスファシリテーター

お父さんは サイエンスファシリテーター

妻と子4人の6人家族。目標は、名著『ビジネスマンの父より30通の手紙』のような【書】を子ども達に残すこと!でスタートしたけれど、自分のエゴにおこがましさを感じはじめた今日この頃(笑) 小さな歩みをコツコツ積み重ね、20年後の自分が振り返った時に、幸福感に包まれるブログにしたいです。★★★「大人と子どもと科学をむすび 未来を創る」サイエンスファシリテーター。科学館で宇宙親子イベント主催。「組織の成果と個人の喜びをシナジーし 未来を創る」組織学習パートナー。組織研修ご提案。その正体は、サラリーマン★★★

レビュー『売れる脳科学』 ダイレクト出版 月刊ビジネス選書6月号 ~レゾナンスリーディングvol.78+ビジネスモデルキャンバス

 
 
 

【意外?理性より、本能が重要です!】

 
 
 
『売れる脳科学
  レプティリアン脳に売れ!』

 
 
著者:ラッセル・ブランソン
出版社:ダイレクト出版
月刊ビジネス選書2019年6月号
 
 

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こんにちは。
レゾナンスファシリテーターの村上英範です。
いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。
 
 
 
 
順番が逆になってしまいましたが
月刊ビジネス選書2019年6月号
『売れる脳科学 レプティリアン脳に売れ!』
を学びました。
 
 
<参考>
すでにご紹介した月刊ビジネス選書2019年7月号

startup-papa.hatenablog.com
 
 
 
副題の「レプティリアン脳」とは
「原始脳(爬虫類脳・本能)」のことです。
この「原始脳」を刺激することで
消費者行動を促そうというのが本書のねらい、
ニューロ・マーケティングを学べる一冊です。
 
 

 
"原始脳"(訳注:実際にこのような脳の部位があるのではなく、人間の脳をその機能から分類したときに(分類方法には諸説ある)、生存に必要な呼吸などの基本機能を調整し、本能や情動を司る脳の領域を指す。主に脳幹や辺縁系がこれにあたる)と呼ばれる脳の構造が重要な役割を果たす、(中略)原始脳とは、脳の最も古い領域であり、多数の脳構造で成り立っている。原始脳は、注意(訳注:脳が多数の感覚的情報のなかから、認知するべき情報だけを選択する機能のこと)と感情を引き起こす要因をコントロールし、生存に関連する重要事項に無意識に取り組む。心のOS(オペレーティング・システム)だと考えるとわかりやすいだろう。コンピューターのインプットとアウトプットを制御する基本命令セットに似ている。通常、ユーザーはOSを変更しないのと同じように、人は原始脳をプログラムし直すことはできない。これに対して"理性脳"(訳注:原始脳と同様、実際の脳の部位ではなく、理性的な情報処理を司ることから「理性脳」と呼ばれる。主に大脳新皮質がこれにあたる)は、意思決定のプロセスに関わる。理性脳は脳の最も新しい領域であり、進化の進んだ部分である。コンピューターに譬えると、マイクロソフト・オフィスの最新版だと言える。理性脳は拡張型アプリケーションに似ており、寿命期間中に学習したり変更したりアップグレードしたりできる。この領域は認知資源(訳注:注意を向けたり情報を記憶したりするのに脳が必要とするエネルギー)を利用し、原始脳の反応を調整する役割を果たす。

 
 
私たちの意思決定や行動は、
「理性」で行っているというイメージでしたが、
実のところは、もっと奥が深そうです。
 
「本能」こそ、無視できるものではありません。
 
 
 
著者たちは、原始脳と理性脳、両方のシステムの
活動を測定することで、マーケティング
広告の刺激(メッセージに含まれる刺激要因)が
脳全体に及ぼす影響を調査しました。
 
 


その結果わかったのは、説得のプロセスをコントロールしるのは理性脳ではなく原始脳だという意外な事実だった。原始脳には言語機能はなく、ほぼ無意識のうちに活動する。人が言葉を使ってコミュニケーションを図るようになるずっと前から存在していたのだ。

 
 
原始脳は、脳構造の最も古い領域であり、
説得のプロセスにおいて決定的な役割を果たす
ということが判明したのです。
 
 
しかしながら、実際のところ
私たちの発信するメッセージは
理性脳を対象としたものが多いのではないでしょうか。
 
原始脳へのアプローチを意識することは
あまりないのではないでしょうか。
 
 
そこで本書を読むと、私たちの「注意」「感情」「記憶」
「判断」「意思決定」といった生存に関連する重要事項を
制御している脳の様々なプロセスが、
消費者の「購買判断」にどのように影響していて、
どのように活用すれば「購買行動」を高められるのかを
理解することができます。
 
 
 
余談になりますが、私が本レビューで活用している
「レゾナンスリーディング」という手法。
特徴の1つが、原始脳(本能)と理性脳(理性)の
性質を応用した読書法になります。
 
(レゾナンスリーディングは、脳科学認知心理学
 物理学、教育学から実証が試みられています。)
 
 
さらに「レゾナンスファシリテーター」は、
セミナーやワークショップ・読書会などの学習環境で
脳の性質にアプローチすることで、学習を加速させ、
創発する場を作るファシリテーション技術です。
(実践・数稽古で研鑽中です!)
 
ですので、私のイベントにご参加された方の感想は
普通のセミナーやワークショップと比べて
「いつもより深く学べ、自身の体験と共鳴できました!!」
とお喜びいただけることが多いと感じています。
 
ご関心のある方は、一度ご体験くださいね^^
 
 
と、余談はここまで m(_)m
 
 
 
私としては脳科学に対して前述のような背景もあり、
本書から必要な情報や知識を補完することができました。
 
読み物としてもおもしろいですし、
体系化されているので、使いやすそうです。
 
 
マーケティングがメインのテーマですが
原始脳へのアプローチは、
人間関係や組織づくり、ファシリテーションなど
色々な場面で有用ではないでしょうか。
あなたの「目的」や「状況」に合わせて、
読み換えながら学ぶことをおすすめしたいです。
 
 
 

◆学びのポイント

 
 
①説得力を高める6つの刺激
 
 1.個人に関わる刺激
  :相手の悩みや痛み(問題点)に
   関連づける。
 
 2.対比できる刺激
  :最適な選択肢が明白にわかるように
   2つの状況を比較することで、
   相手の意思決定を促進できる。
 
 3.具体的な刺激
  :処理流暢性を高め、相手の原始脳で
   主張の正当性を確かめることが
   できるようにする。
 
 4.記憶に残る刺激
  :努力をしなくても、記憶し、
   思い出せるようにする。
   相手の意思決定を促進するように
   メッセージの一部を符号化する。
 
 5.視覚的な刺激
  :原始脳は視覚が優位に働くため、
   まずは情報を確認して、それを
   意思決定プロセスに組み入れる。
 
 6.感情的な刺激
  :メッセージより高い認知機能に届け、
   相手の意思決定を作動させる。
 
これらを最適化することでメッセ―ジの効果を高める。
 
 
②痛みを見つけ、診断する
 
 お客様の痛みは何か?
 その原因は3つに分類できる。
 
 1.金銭的な痛み
  :収入の損失、利益の低迷、
   投資利益率の悪化など財政的な
   要素に関連する。
   一般的に、目に見えやすく、
   容易に測定できる。
 
 2.戦略的な痛み
  :製品やサービスの開発、製造、
   販売、発送などに関わるビジネス
   リスクをもたらす。
   品質の低下、生産効率の低下、
   顧客満足度の悪化、低いブランド
   認知など。
   目に見えやすいものではなく、
   簡単に測定できるわけでもない。
 
 3.個人的な痛み
  :購買判断に影響する否定的な
   感情で構成される。
   強いストレス、仕事への不安感、
   長時間労働など。
 
上得意客と徹底的に対話をすることで
効果的に見つけることができる。
 
 
③効果的なメッセージを作る
 6つの「説得の元素」

 
 1.つかみ
  :言葉だけで宣伝するよりも、
   感情的な反応をすぐに引き起こす
   ため、相手はあなたの製品や
   サービスに脳のエネルギーを
   向けることができる
 
 2.主張
  :あなたの価値提案を採用すべき
   理由を3つにまとめる。
   メッセージの構成を明確にする。
 
 3.全体像
  :あなたの価値提案がどのように
   影響するかをグラフィカルに
   表現する。視覚的な刺激は
   原始脳を活性化させるため、
   俯瞰的に示す。
 
 4.ベネフィットの実証
  :原始脳はあまり進化していない
   うえ、疑い深いため、
   簡潔だが確固たる証拠で
   価値を効果的に示す。
 
 5.反論のリフレーミング
  :相手のネガティブな感情や
   反論を、理論によって
   取り除くことは難しい。
   リフレーミングによってポジティブ
   な感情を生み出すように努める。
 
 6.締めくくり
  :一貫性の影響を利用する。
 
説得の元素のインパクトをさらに高めるには
7つの「説得の触媒」を組み合わせるとよい。
 
 

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◆まとめ

 
 
本書をビジネスモデルキャンバス(BMC)で表現すると
脳科学を駆使した顧客との関係づくり」
ではないでしょうか。


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原始脳へのアプローチを強化し(KA)
顧客との関係(CR)を大きく刺激します。
自身のバリュープロポジション(VP)が
最も良く伝わり、収益(R$)を飛躍させる。
 
BMCの右半分のマーケティング部分を
強化できる教養的実用書といえます。
 
 
最先端の説得の脳科学
ご自身のビジネスや生活に活用したい方に
おすすめしたい一冊です。
 
 
 
 
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サイエンスファシリテーター®

& 組織学習パートナー 村上英範

 

◆インタビュー記事(取材:理系エイゴ様)

souspeak.com
 

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最後までお読みくださり、ありがとうございました(^_^)

 
 
 
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