お父さんは サイエンスファシリテーター

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妻と子4人の6人家族。目標は、名著『ビジネスマンの父より30通の手紙』のような【書】を子ども達に残すこと!でスタートしたけれど、自分のエゴにおこがましさを感じはじめた今日この頃(笑) 小さな歩みをコツコツ積み重ね、20年後の自分が振り返った時に、幸福感に包まれるブログにしたいです。★★★「大人と子どもと科学をむすび 未来を創る」サイエンスファシリテーター。科学館で宇宙親子イベント主催。「組織の成果と個人の喜びをシナジーし 未来を創る」組織学習パートナー。組織研修ご提案。その正体は、サラリーマン★★★

レビュー『深く考える力』 田坂広志・著 PHP研究所 ~レゾナンスリーディング vol.24

 

【賢明なもう一人の自分】との対話

 

『深く考える力』

 

 著者:田坂広志

 出版社:PHP研究所

 発売日:2018/2/17

 

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こんにちは。

レゾナンスファシリテーターの村上英範です。

https://resonance-murakami.peatix.com

いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。

 

 

特にこの数年間は、

情報、情報、情報。

情報を受け取る機会が

あまりにも多くありすぎて

それを捌くので精一杯、

疲労疲弊し

「深く考える」はおろか

「考える」ことそのものが

疎かになっていませんでしょうか?

 

「考えない」ことが常態化すると

味のない機械になっていく

そんな危機感を抱いています。

 

 

本書では

『深く考える力』という技法の視点から

いかに自分自身の「心の置き所」を

磨いていくかについて語られています。

 

著者は、田坂広志先生です。

 

私の最も尊敬する方の御一人で

いつも、私淑させていただいています。

 

これまで先生のご著書に向き合うことで

何度も、何度も、心を救われてきました。

 

 

◆田坂広志先生プロフィール

http://hiroshitasaka.jp/profile/

(Amazonより)

1951年生まれ。74年東京大学卒業。81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。87年米国シンクタンク・バテル記念研究所客員研究員。90年日本総合研究所設立に参画。取締役を務める。2000年多摩大学大学院教授に就任。同年シンクタンク・ソフィアバンク設立。05年、米国ジャパンソサエティより日米イノベーターに選ばれる。08年世界経済フォーラム(ダボス会議)GACメンバー。10年世界賢人会議ブダペストクラブ日本代表。11年内閣官房参与。13年全国の経営者が集い「7つの知性」を学ぶ場「田坂塾」を開塾。

 


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◆私の学びポイント

 

「深く考える力」という言葉から

どのようなイメージをお持ちになりますか?

 

本書で語られる「深く考える力」とは

「心の奥深くの自分と対話する力」です。

 

自分自身の中にいる

「賢明なもう一人の自分」

その自分と対話することです。

 

「賢明なもう一人の自分」こそが

自身の考えをさらに深めてくれます。

思考を深め、

思索を深めてくれる存在なのです。

 

これは「論理思考」を超えた

その先にあるものです。

直観力や大局観といった

素晴らしい叡智を呼び起こしてくれます。

 

これは、すべての人が

生来持っているものだそうです。

 

それでは、どのようにすれば

「賢明なもう一人の自分」が現れ

対話を深めることができるのでしょうか?

 

 

田坂先生は、5つの技法を語られます。

 

 1.自分の考えを文章にして表してみる

 

 2.異質のアイデアを敢えて結びつける

 

 3.自分自身に"問い"を投げかける

 

 4. 一度、その"問い"を忘れる

「もう一人の自分」は、「問い」を忘れたとき、考え始める

 

 5. 自分自身を追い詰める

「もう一人の自分」は、追い詰められたとき、動き出す

 

箇条書きにすると「なんだ、そんなことか」

という印象を与えてしまうかもしれません。

 

しかし、その1つ1つが修練。

深いです。。。

ぜひ、実際にお読みいただきたいです。

 

さらに、

賢明なもう一人の自分を磨く

読書の技法を提唱されます。

 

 1.思索的エッセイ、随筆、随想を

  推理小説のように読む

 

 2.自分の名言集を編集する

 著者に変わっての加筆、修正

 

この読書の技法をすぐに実践できるように

先生が書かれた38のエッセイが用意されています。

 

 第二部 深き思索、静かな気づき

 (文章を書くこと、読むことは、

  思索の階段を降りていくこと)

 

 第三部 言葉との邂逅

 (心に触れる言葉に巡り会ったとき、

  深い思索が始まる)

 

私も過去に読んだことがある

エッセイがたくさんありました。

しかし、前述の読書の技法で正対すると

思考や思索の深みがまったく

変わったことを実感できました。

以前は分からなかった感銘も受けました。

 

 

◆最後に

 

田坂先生は著書の結びにて

いつも今は亡きご両親への

感謝の想いを綴られます。

私はその文章がいつも好きです。

本書で、その理由を知ることができました。

 

例えば、昔から語られる格言に、

「一人の人物の生きたことの意味は、

   その人物の棺を閉じたときに定まる」

という言葉がある。

しかし、筆者は、この言葉を見つめるたびに、

次の言葉に書き直したくなる。

「一人の人物の生きたことの意味は、

   その人物が、深い愛情を持って育てた

   人物の棺を閉じたときに定まる」

それは、言うまでもなく、

筆者の両親に対する思いからである。

筆者の両親が生きたことの意味は、

両親が深い愛情を持って育てた一人の

未熟な人物が、成長の道を歩みながら、

その生涯を通じてどのような

生き方をしたかによって、定まる。

昔から語られる、この格言を読むたびに、

筆者の思いは、その覚悟へと深まっていく。

 

心に、染み入ります。 

 

本書は「深く考える」という技法で

語られていますが、

思想や思索に結実します。

「賢明なもう一人の自分」と

対話することを深めながら

心の在り方を育てていきたいです。

 

 

 ◆おまけ◆

本ブログで活用しているレゾナンスリーディングとは??

startup-papa.hatenablog.com

 

フォローはこちらになります。

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 ◆ここまで◆

 

最後までお読みいただき

ありがとうございました(^_^)


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