今日あらためて「共創」の心を学び直し
ジ~ンとしています。
『ロケット・ササキ』
著者:大西康之
出版社:新潮社
発売日: 2016/5/18
◆本書より
電卓を薄く軽くするために、蛍光管より消費電力の少ない液晶表示装置が生み出された。これがやがて液晶テレビやスマートフォンに進化していく。薄く、軽くを追及するための民生品で初めて太陽電池を使ったのも電卓である。風力発電と並び「再生エネルギーの柱」とされる太陽電池も、電卓がなければ量産されることはなかった。
(P7)
②二つの異なる太さの管をどう接ぐか。正は管の細いリンゴの枝を斜めに切って表面積を増やした。得意の数学で二つの管がぴったり合うよう計算した。すると熱帯のマンゴーと北方のリンゴが見事に繋がり、リンゴのような形のマンゴー「リンゴマンゴー」の実を結んだ。
「そうか、異質なものでも工夫すれば接ぐことができる。違うものを接げば、そこからあらたな価値が生まれるのか」
これが、のちに正の技術者としての信念となる「共創」へとつながっていく。
(P37)
③「いいかい、君たち。わからなければ聞けばいい。持っていないなら借りればいい。逆に聞かれたら教えるべきだし、持っているものは与えるべきだ。人間、一人でできることなど高が知れている。技術の世界はみんなで共に創る『共創』が肝心だ。
(P121)
④MOS-LSIの共同開発は終始、佐々木のペースで進んだ。ロックウェルの技術者たちは、議論の最中に発想があっちこっちへ飛び、突然、とんでもないことを言い出す佐々木に手を焼いたが、その発想の豊かさには舌を巻いた。
「戦闘機のスピードではササキには追い付けない。ロケット・ササキだ」
(P159)
⑤車椅子に乗った佐々木がそう言うと、「ひょっとしたら、不可能ではないかもしれない」と思えてくる。佐々木にはジョブズと同じように、周りの人間に自分のビジョンを信じ込ませ、「現実歪曲空間」を作る力がある。
その力に触れると、(中略)「自分は人類を進歩させる瞬間に立ち会っている」という使命感が人々を夢中にさせるのである。
(P238)
この「共創」という心の在り方を
常に問い続け
日々の技術職やファシリテーションの
道を歩んでいきたいです。