お父さんは サイエンスファシリテーター

お父さんは サイエンスファシリテーター

妻と子4人の6人家族。目標は、名著『ビジネスマンの父より30通の手紙』のような【書】を子ども達に残すこと!でスタートしたけれど、自分のエゴにおこがましさを感じはじめた今日この頃(笑) 小さな歩みをコツコツ積み重ね、20年後の自分が振り返った時に、幸福感に包まれるブログにしたいです。★★★「大人と子どもと科学をむすび 未来を創る」サイエンスファシリテーター。科学館で宇宙親子イベント主催。「組織の成果と個人の喜びをシナジーし 未来を創る」組織学習パートナー。組織研修ご提案。その正体は、サラリーマン★★★

レビュー『考える練習帳』 細谷功・著 ダイヤモンド社 ←レゾナンスリーディングvol.13

【あなたは、自分の頭で考えていますか?】

 

 

『考える練習帳』

 

著者:細谷 功

出版社:ダイヤモンド社

発売日:2017/10/26


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こんにちは。

レゾナンスファシリテーターの村上英範です。

 

いったい1日24時間のなかで

どのくらい自分の頭で考えているんだろう…

 

このように思うことはありませんか?

 

分かってはいるんだけど

ついついスマホをスクロール

情報の流し摂取で1日が終ることも…(汗

 

日々刻々と情報の大洪水にさらされているので

考える行為がどうしても疎かになりがちでよねす。

 

そこで今回は本書にて

「自分の頭で考えること」の重要性を

あらためて復習しました。

 

 

『考える練習帳』

著者:細谷 功

出版社:ダイヤモンド社

発売日:2017/10/26

 
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レゾナンスリーディング50分間

+熟読60分間

 

 

著者の、細谷 功(ほそや・いさお)氏は

ベストセラー『地頭力を鍛える』でお馴染みです。

ビジネスコンサルティングのみならず、

問題解決や思考に関する講演やセミナーを

国内外で展開されている

この分野のプロフェッショナルです。

 

本書では「自分の頭で考えること」を

様々な角度から掘り下げられています。

 

"考えるとは「○○する」こと"

 

45のレッスンで

私たちの眠れる思考回路を起動させてくれます。

 

全体構成は以下のように論理立てられています。

 

Ⅰ.動機づけ編

 第1章 「考える」と、何かいいことがあるの?

 ↓

Ⅱ.覚醒編

 第3章 知識重視の価値観から脱却する

 第2章 「気づき」=無知の知で勝負が決まる

 ↓

Ⅲ.思考原理編

 第4章 「考える力」を起動させるための工夫

 第5章 考えるとは「見えないものをつなげる」こと

 第6章 考えるとは「まとめて扱う」こと

 ↓

Ⅳ.取扱注意編

 第7章 「考える」ことの使用上の注意

 

 所感でキモは5章と6章かなと想定していたところ

 思いがけなく7章にやられました。

 (詳細は↓後半にて記載しています。)

 

 

◆なぜ「自分の頭で考えること」が大切なのか?

 

ポイントはAIです。

人間とAIの対立関係からくる対抗策として

ではなく

AIとうまく共存していくための「思考力」です。

 

AIは

「膨大なデータに基づくパターン認識の高度化」

を得意とします。

これに関して人類は足元にも及びません。

 

そこで私たちの重要な役割として

・問題そのものを「自分の頭で考える」

・目的や質問を「自分の頭で考える」

が挙げられます。

AIと共に未来を創っていくために

人類が果たすべき役目になります。

 

それでは「自分の頭で考える」とは

具体的にどのようなことを指しているのでしょうか?

 

著者はバシッと定義します。

 

「徹底的に対照させて比較すること」

 

すなわち二項対立させることの重要性を

全編を通して説かれています。

 

二項対立することは

境界線を引くのが難しい世の中において

ナンセンスなのではないかという

指摘もあるようですが、

著者はそのように考えること自体が

思考停止であると、説きます。

 

本書のポイントはこの二項対立による

「徹底的に対照させて比較」となります。

 

 

◆私の学び:3つのポイント

 

①徹底的に対照させて比較する

 

本書では

二項対立のフレームワーク

随所に登場します。

 

 □ ⇔ □

 ↓   ↓

 □   □

 

分かりづらいですがこのようなイメージです。

 

そして「川上と川下」という構造があります。

 

水は、川上から川下に流れます。

そして水の流れは不可逆という原理があります。

 

上流では、水量が少なく、

岩は大きくごつごつ、流れは早いです。

一方の下流では、川幅が広がり水量が多く

小石は丸く、流れは穏やかになります。

 

この原理が大切です。

世の中の仕組みやシステムに置き換えると

イメージしやすいです。

 

川上ほど、不確実性が高く、混沌、

境界不明確、非分業、抽象度高く、

蓄積なし、属人的など、となります。

川上はその逆です。

すなわち現段階のAIの領域になります。

 

ですので、

この関係性を十分に踏まえながら

日常生活のなかで

二項対立を粘り強くコツコツ

実践・応用していくことが

「自分の頭で考える」ベースづくり

になるのだと私は考えます。

 

 

②自分中心からの脱却

 

その考えは自分中心になっていませんか?

独りよがりではありませんか?

 

何をするにもコミュニケーション

「相手の視点」が鍵となります。

 

上司から見て自分はどう見えているのか

上司から見て自分はどう見えているのか

 

「盤面の向こう側に立って」

あらためて考えることを習慣づけましょう。

 

これは①にある二項対立の1つです。

私がコミュニケーションを向上させたいので

ピックアップしました。

 

ちなみに、将棋界の加藤一二三氏も

実際に相手側に立つことで

盤面を逆側から見られるそうです。

それほど難しく重要なのですね。

 

 

③遠くの世界からアイデアを借りてくる

 

イデアを飛躍させること、類推になります。

 

ある具体例と、それとは異なる具体例から

共通のパターンを導き出し、つなげます。

 

例えば、ポッキーと串カツで説明されています。

ポッキーはチョコが付いていない

クッキーの部分を持ちます。

串カツも串棒の部分を持ちますよね。

 

 

 

◆第7章「考える」ことの使用上の注意

 

本書では実に6章までで

「自分の頭で考えること」の

優位性と鍛錬する術を提唱されていますが

なんと最後の7章にて

「自分の頭で考えること」からこそ

マイナス面も生じる!

そして合わせて、その問題への対処方法を

説明されています。

 

正直、驚いたのですが、それはそうですよね。

前提として、二項対立で展開されていますし

「考える」ことの弊害的な側面もあるのですよね。

 

なるほど。。。

 

著者のこの最後まで真摯に

「考え抜かれる」姿勢が

本書のもっとも好感を持てるところです。

 

 

ここまでお読みいただいたあなたは

「自分の頭で考えること」からの弊害は

何だと考えられますでしょうか?

 

 

著者はこう述べられています。

 

 

「孤独」である。と

 

 

思考力を上げると「孤独」になります。

思考停止している人の方が幸せに

日々を過ごせることもあります。

 

 

グッサーーーーです。汗ッ。

 

 

しばしば私も感じている孤独感。

 

いえいえ、これは決して

自分が思考力抜群であると、

自惚れているわけではないんです。

 

でも、会社生活において

孤独感を感じることは多いんです。

 

 

著者の考える原因と処方箋を抜粋します。

 

"

「考える人」になるということは、世の中では「圧倒的な少数派」です。

逆に言えば、世の中の「圧倒的な多数」は、先例に従い、過去を後悔し、わかりやすい具体的なものに流れ、「偉い人の言うことを聞く」という本書の比較表で言う「左側」の人たちだからです。

(中略)

つまり「考える世界」に足を踏み入れ「孤独になっている」人は(中略)、この構図を理解しておくと、日常生活や職場での振る舞い方がわかってきます。

他人に理解してもらおうと思ったら、徹底的に「左側の思考回路」を想定すればいいのです。

(中略)

「具体的ですぐわかるように」「権威やルールの力を借りて」説明することで理解してもらえます。

ここで自分の思考回路を正当化しても何の意味もないのです。

(中略)

この構造を自覚して行動することで、この「住みにくさ」が解消されるだけでなく、「自分で考える力」の使い所がわかってくると思います。

"

 

あまりの力強さとバッサリ感に

書き起こしながら若干のコワさも感じていますが

私としては非常に腑に落ちました。

 

現状、職場で感じていたモヤモヤ感に対しての

心の置き方と所作を学べたのは大きいです。

 

 

◆最後に

 

本書は「考える」ための本です。

(そのためレゾナンスリーディング後

 必要箇所を熟読しました。)

自分にとって重要と感じるパートを

考えながら書き出すことで

「自分の頭で考えること」の

ベースをつくることができます。

 

まさに頭に汗をかきながら学ぶ1冊です。

 

 

 

◆おまけ◆

本ブログで活用しているレゾナンスリーディングとは??

http://startup-papa.hatenablog.com/entry/2018/01/18/060000

⇒考えながら、感じながら読む読書法です

 

お申し込みはこちらです。

https://resonance20180225im.peatix.com/

◆おまけ ここまで◆

 

最後までお読みいただき

ありがとうございました(^_^)


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