お父さんは サイエンスファシリテーター

お父さんは サイエンスファシリテーター

妻と子4人の6人家族。目標は、名著『ビジネスマンの父より30通の手紙』のような【書】を子ども達に残すこと!でスタートしたけれど、自分のエゴにおこがましさを感じはじめた今日この頃(笑) 小さな歩みをコツコツ積み重ね、20年後の自分が振り返った時に、幸福感に包まれるブログにしたいです。★★★「大人と子どもと科学をむすび 未来を創る」サイエンスファシリテーター。科学館で宇宙親子イベント主催。「組織の成果と個人の喜びをシナジーし 未来を創る」組織学習パートナー。組織研修ご提案。その正体は、サラリーマン★★★

レビュー『謎床』 2017年に最も刺激を受けた私の「師」となる本! レゾナンスリーディングvol.9

【サイエンスファシリテーターの本棚vol.4】

 

『謎床 思考が発酵する編集術』

松岡 正剛・著

ドミニク チェン・著

晶文社

 

f:id:hd_murakami:20180123061444j:image

 

こんにちは。

サイエンスファシリテーターの村上英範です。

 

"答え"が分かれば、あと味スッキリ。

"問い"が残れば、モヤモヤ残存。

 

本を読んだり、

勉強会に参加する目的は

たいてい前者ではないでしょうか。

 

そこで、ここでお伝えしたいのは

"謎"を抱えてモヤモヤすることの大切さです。

 

(私のサイエンス読書会で

 他の学習の場より、"問い"の生成に

 ウエイトを置いている理由です。

 

 

なぜ、"謎"が大切なのでしょうか??

 

f:id:hd_murakami:20180123061512j:image

 

【謎床とは、糠床が"謎"を生み続けていく様】

 

漬物をするときの糠床をイメージしてください。

野菜を入れると乳酸菌たちが

発酵を通して漬物を返してくれますよね。

 

"謎床"という造語は、言わばそのようなものです。

 

そこに知識を投入することで、

思考を進めるための素材としての"問い"が

連鎖的に生成されていきます。

 

謎を育む床、です。

 

 

ここに"対話"の本質が

あるのではないでしょうか。

 

ナマの人間とナマの人間の

対話で生じる意図や意表の連鎖。

個と個を"まぜまぜ"するからこそ

生じる"創発"。

 

非対称の人間で"まぜまぜ"楽しむことで

面白いコトが生まれます。

 

・読書(レゾナンスリーディング)

・読書会ファシリテーター

・ラジオでの対話

などなど

 

私も、大量の本を"まぜまぜ"し

多様な方々と"まぜまぜ"し

"まぜまぜ"しながら発信することで

少しでも創発できることを目指しています。

 

◆参考◆

落合陽一さんの思考にせまる!?読書会開催レポート

http://startup-papa.hatenablog.com/entry/2017/11/19/205244

 

科学館で読書会「宇宙を探検しにいこう」

http://startup-papa.hatenablog.com/entry/2017/10/08/190000

 

 

【"謎"のない世界は私たちに何をもたらすのか?】

 

"謎"は時代につれて変遷しています。

 

古代においては、

全知なる者が無知なる者を導くための問いだったそうです。

例えば、スフインクスの問い

「朝は四本足、昼は二本足、夕方には三本足の生き物は何か?」

といったものです。

 

時代が進み学問が確立されると

"設問+答え"がワンセットとなり

ロジックの比重が上がりました。

人類が答えが見つけていないものは

「宇宙の謎」や「生命の謎」のように

研究という領域にはみ出ていきました。

 

さらに産業革命により機械が自立すると

「余計な謎を生まないシステム」となり

日常生活から"謎"は切り離されました。

生産性や効率性に重きを置くこれまでの社会です。

 

それでは第4次産業革命が加速する現在

"謎"はどのようなカタチになっているのでしょうか。

どのような役割をもっていくのでしょうか。

 

考え出すと難しいですが、

"答え"から"謎"への回帰

"謎"を醸成していくことの必要性を

感覚的につかめるのではないでしょうか。

 

 

かつて、アインシュタイン

「巨大な惑星が一時間以内に地球に衝突し、

 地球上のすべてを破壊すると言われたら、

 何をするか?」という問いに対して

こう答えたそうです。

 

「55分は問題を明確にすることについて

 考えることに費やすでしょう。

 そして、5分でそれを解決しようと試みるでしょう」

 

 (Once Einstein was asked what he would do if he was told that a huge comet would hit and totally destroy the earth in one hour. Einstein replied: I would spend 55 minutes thinking about formulating the problem and give five minutes trying to solve it.)

 

 

【『謎床』と私】

 

知のエネルギーからくる刺激が

日常の視座を変容させてくれます。

 

①もっと根源的な、ある人にとっての情報の価値はその情報との出会い方にも拠るという経路依存の問題です。それより問題は、そうやってアクセスした情報、つまり、ほとんど何ら身体的負荷、精神的負荷をかけずにスルスル入手した情報というものを、人は非常に粗雑に扱ってしまう、ということなのです。

 

②「わかった」といっても、そこには了解可能性の幅があるので、絶対にピンポイントではないんです。何か液滴の滴のように、じんわり広がっていくことでしか「わかる」ということはありえないはずですよ。にもかかわらず「わかった」と思うときは、たいていそれがピンポイントになっているので、ヤバい。

 

③いまここでリアルにその人が発語していることに価値がある。だからもっと忘れてよい。何か新鮮さを獲得して、またそれを発露できればよい。

 

そして、ファシリテーターとして

 

・触媒そのものが世界の語り部

・師というものは謎をつくる人

 

指針と勇気をもらえる本書は

まさに「師」であると言えます。

 

 

松岡正剛さんとドミニク・チェンさんが

連想に次ぐ連想で生み出す対話は

一朝一夕でモノにできる内容ではありません。

お二人の檀上まで上がるには

単語や文脈を虚心坦懐に紡ぐ必要があります。

 

私も、何度もトライしており

いまだに理解したとは言い難いです。

 

だからこそ、おもしろく創発されます。

 

視座を変えたい時、刺激がほしい際に

パラパラめくり、

たまたま開いたページを読み解き

自分なりの思考で、謎をつくっています。

 

これからもイベント等でお会いする方々に

自分の持っている"謎床"を床分けし、

場を"まぜまぜ"し、

相互の自律的な学習が最大化していきたいです。

 

 

◆おまけ◆

本ブログで活用しているレゾナンスリーディングとは??

http://startup-papa.hatenablog.com/entry/2018/01/18/060000

お申し込みはこちら

https://resonance20180225im.peatix.com/

◆おまけ ここまで◆

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました(^_^)


f:id:hd_murakami:20180124181854j:image